住友林業と契約後の打ち合わせでは、基本プラン確定が一つの目標となります。
住友林業社員の方たちは「基本プラン確定」とよく言いますが、契約したばかりの施主にとって内容はよくわからないですよね。
基本プラン確定をもって、間取りの大きな変更はできなくなります。
今回はこれから基本プラン確定を控える方向けに、何の内容を打ち合わせするかについて紹介します。
これから基本プラン確定を迎える方は是非本記事を最後までご覧になっていただき、参考にしていただければと思います。
目次
基本プラン確定とは?
基本プラン確定とは、建築確認申請に必要な内容である基本設計を確定させることです。
建築確認申請を終えてなければ建築基準法における手続き違反となり着工できないため、打ち合わせが完了する前に確定させなければならないのです。
この建築確認申請、一朝一夕でできるものではなく、申請書類作成期間と審査期間を確保しなければなりません。
それでは申請書類の作成と審査は誰がするのでしょうか?
建築確認申請は役所ではない?
契約前の打ち合わせ、住友林業含めてハウスメーカー各社資金計画を作成してくれるのですが、その中にある建築確認申請の項目が各社金額が異なります。
しかも県のホームページを確認すると、記載されている手数料よりも高い金額で資金計画が立てられています。
同じ役所なのに、会社によって金額が異なる…?
ぼったくりられているのではないかと疑ってしまい、ストレートに確認してみました。
実は建築確認申請は役所ではなく、民間に委託しています。
建築確認・検査は、平成10年の「建築基準法」改正により民間機関も行えるようになったとのことでした。
安くてしっかり検査してくれそうな役所の方が安心だけど…
もちろん役所に建築確認するメリットはそこですが、多くの場合民間の検査機関の方が審査スピードが早く、引き渡しまでの期間が短くすることができます。
今では一般家庭用住宅のほとんどは民間で建築確認・検査が実施されているとのことで、どこのハウスメーカー・工務店で建てても民間機関で建築確認が行われることは変わらなさそうでした。
会社によって建築確認の費用が異なるのは、ハウスメーカーと民間検査機関の契約によるものということです。
建築確認の費用を支払うのは施主なので、安くてしっかりと審査してもらえるであろう役所に建築確認して欲しいというのが本音ではありましたが…
引き渡しが早くなるということで切り替えよう!
申請も住友林業ではない?
家を建てる前は建築確認と聞くと、ハウスメーカーと役所がやり取りしていると想像していましたが、建築確認先は役所ではないことがわかりました。
更に深掘りすると、建築確認申請書類を作成するのは住友林業本体ではなく、グループ会社である住友林業アーキテクノ株式会社とのことです。
基本プラン確定の内容をもって、住友林業アーキテクノが建築確認申請書類の作成を開始します。
大企業ならではの分業制ですね。
フロー図で表すと以下の流れです。
どうしても建築確認申請の書類作成、審査という家づくりの工程におけるクリティカルパスが発生するため、その作業はグループ会社に投げるとして、基本プランは早目に確定させたい内容ということですね。
水回りの設備等、建築確認に影響しない部分は後回しになってしまいます。
それではどの部分が基本プランで確定させる内容なのか見ていきたいと思います。
基本プラン確定の内容
基本プラン確定の内容として、第一に考えなければならないのは図面関係です。
間取りが確定すると土地に対する建ぺい率や、構造柱等の建築基準法関連の事項が確定してきます。
個人的に要注意だったのが窓です。
窓の種類や大きさが変わると申請上の採光面積が変わるので、基本プラン確定後は窓のサイズの変更ができません。
我が家はそもそも準防火地域だから窓の選択肢が少ない…
逆に基本プラン確定後に変更したのが、ふかし壁の位置です。
ふかし壁の位置変更は構造柱等に影響しないので、基本プラン確定後もできます。
それでは図面関係以外に決める内容について紹介します。
■基本事項の確認
- 長期優良住宅申請 有・無
- ロングサポート LS-30or60
- 住宅性能評価申請 設計評価のみor設計+建設
- 耐震等級 3・2・1 ※等級は構造完了後に確定
- 融資 無・有 (フラット35・フラット35s・ )
最初に基本事項の確認についてです。
住友林業の方はほとんど長期優良住宅申請は有り、耐震等級は3ではないでしょうか。
融資については建築確認申請には必要無いので、この時点でフラット35だとか変動金利等は決める必要はなく、「検討中」で問題ありません。
■基本仕様の確認
- 構法→BForMB
- BF:土台(檜集成) 柱(レッドウッド・檜)/真壁柱120角
- MB:大壁柱(集成・ミズダス /105角・120角)/真壁柱(105角・120角 )
- 土台(集成・ミズダス /105角・120角) 外壁下地(きづれ・Dパネル)
- 基礎使用:ベタ基礎(シングル・ダブル)
- 外壁使用:モルタル吹き付け・サイディング張・タイル張り
部分変更:無・有(吹分け・サイディング゙張り・タイル張り) - 屋根使用 葺剤(スレート・瓦・鋼板屋根・シングル葺・フラットルーフ)
- 軒使用 (軒天材:神島・ニチハ)
- 床仕上げ材 (主床材の厚み、床暖房の有無)
- 計画換気 フォレストエア・エアフロー(2×4,3階建て、4階建ての場合)
- 遮音床仕様 (標準)
- 防耐火使用 30分防火・省令準耐火・45分準耐火・60分準耐火・耐火
- 塩害使用 無・有
- 寒冷地仕様: 無・有 積雪●cm
- 防蟻処理 タームガード 無・有
もうこのへんから「ふーん?」状態でした。
私達は住友林業の平屋商品状態であるGRAND LIFEの標準仕様が次々と設計士さんが選択していく形です。
注意するのが、屋根や外壁です。
これらは建築確認における構造に関わってくるので、この時点で確定させなければなりません。
屋根は標準ではスレートですが、LS-60仕様である瓦を選びたい場合は事前に金額を算出しておいてもらうことが必要です。
外壁についてもサイディング、モルタル吹付け(SODOかシーサンドコート)、タイルのどれにするかを決めておく必要があります。
構造に関する確定なので外壁の種類だけ選び、色はこの時点では決める必要はありません。
■設備関連の確認
ライフライン
- 水道 無・有 口径:既設 mm → mm/新設( mm)
- 排水 公共桝(既設利用・移設・新規引込)/浄化槽
- ガス 無・有(都市ガス・個別LPG・集中LPG)
- 屋外電気 無・有(外壁付・引込ポール)
給湯器
- ガス/電気 エコジョーズ・ハイブリッド給湯器・エネファーム・エコキュート・電気温水器
- その他 灯油・他
スマート機器
- 太陽光 無・有(メーカー:シャープ・京セラ・ソーラーフロンティア・パナソニック・カネカ・ )
- HEMS 無・有(メーカー:シャープ・京セラ・ソーラーフロンティア・パナソニック・カネカ・ )
- 蓄電池 無・有(メーカー:シャープ・ソーラーフロンティア・パナソニック・ )
- その他 (V2H・EVコンセント)
二世帯対応
- 給排水 無・有
- ガス 無・有
- 電気 無・有
ライフライン等は土地の条件等が効いてくる箇所なので、既に打ち合わせ済みの方が多いです。
注意しなければならないのが、太陽光発電や蓄電池ではないでしょうか。
もちろん引き渡し後の後付も可能です。
その他はEVコンセントは標準でつきますが、V2Hを希望される方はこの時点で決めておく必要があります。
■申請内容の確認
補助金申請
- 太陽光
- 蓄電池
- 浄化槽
- ZEH
- BELS
それぞれ申請の有無、申請先(国・都道府県・市町村)、申請が住友林業で実施か施主で実施かを確認します。
補助金は全て終了しているので、無しにしておきますね。
BELSの申請のみ当社で行います。
市町村の補助金が間に合いそうなので申請したいのですが…
…
もちろん申請のサポートは行いますので、一旦無しにしておきますね。
(…何か面倒くさがられた?)
その後、無事に市町村の補助金を受け取れました
補助金申請についての確認です。
タイミングが合えば…という方がほとんどではないでしょうか。
私たちの住む自治体ではZEHやエネファームに対しての独自の補助金があり、基本プラン確定では無しにされてしまいましたが、無事に受け取ることができました。
■敷地に関する主要項目
敷地状況
- 境界杭 有( カ所)・無( カ所)/境界立会(無・有)(道路・隣地)
- 残す既存構造物 無・有(建物・門塀・擁壁・井戸・植栽・物置・)
こちらも敷地の条件に合わせて、自然と決まってくる内容ばかりです。
敷地調査も住友林業アーキテクノが実施しているので、その調査結果の内容を確認していきます。
配置
- 配置寸法( 東、西、南、北境界線より( mm)× 東、西、南、北、境界線より mm)
- 民法承諾50cm(要・不要)/目隠請求100cm(有・無)
- 民法承諾取得日
- 隣地離れ 最小有効巾
- カーポート
- 屋根 有・無 / 建築面積算入(有・無)/有効巾( )×( )
- 車種()
- サイズ()
敷地に合わせて考えた図面と隣地との距離等を確認します。
この時にカーポートの有無は建築確認に必要なので、住友林業緑化との打ち合わせで予め決めておきましょう。
高さ
- GL設定 GL=(BM+ )/深基礎 無・有(GL- )
- アプローチ 幅()m/階段 無・有) 段数()段/スロープ 無・有(勾配 %)
- 法規 □北側斜線/□道路斜線/□天空率/□ 斜線緩和利用 無・有( )
敷地の高さについて確認していきます。
私達の敷地は道路と高低差があったのですが、GLや深基礎の高さを確認したのみで、アプローチの段数等はこの時点では確定されませんでした。
アプローチは建築確認申請には必要ないようです。
隣家配慮
- 室外機、給湯器、タンク、キッチン・トイレ・換気扇・ 方角及び台数
エアコンの室外機や給湯器の方角及び台数を決めます。
間取りが確定すると、こちらも自然と決まってくるのではないでしょうか。
エアコンの室外機については、住友林業を通さない分も台数を確定させます。
その他に決める内容としては、キッチンの換気扇をどこから排気するかです。
それによってダクトを通す位置が変わってくるので、基本プランで確定させます。
■プランに関する主要項目
プラン
間仕切り
- 外壁 位置決定
- 内壁 位置決定 ※簡易間仕切り 無・有
- 開口部
- 外部 位置/大きさ/形状/勝手/隣家窓位置
- 内部 位置/大きさ/形状/勝手
- 階段 階段巾(780・ mm)/蹴上)( mm)
- 段数 ( 段)/□家具搬入経路確認
- 廊下 最小巾 (780・ mm)/□家具搬入経路確認
- 和室床段差 無・有( mm)
- ☆置家具 ダイニングテーブル( 人掛け)/サイズ( mm× mm)
これまでの打ち合わせで悩んだ間取りについての確認です。
位置や幅の内容を確認していきます。
屋根形状
- 軒の出 ( mm)
- ケラバ ( mm)
- 勾配 ( )
屋根の勾配や、軒の出を確認します。
躯体高さ
軒高
4階建(BF:12,405/ mm)
3階建(BF:8,980/ mm)
2階建(MB:6,280/BF:6,360/ mm)
平屋 (MB:3,360/BF:3,360/ mm)
基本天井高
4F(2,400)
3F(2,250・2,400/ mm)
2F(2,250・2,400・2,450/ mm)
1F(2,250・2,400・2,450・2,600・2,800/ mm)
母屋下がり 無・有
ここも打ち合わせしたことはないですが、商品の標準仕様で自ずと決まってくる内容でした。
軒高や基本天井高である2,400mmを変えたい場合は予め設計士さんと相談しておきましょう。
以上が基本プラン確定で決める内容です。
長い打ち合わせだった…
まとめ
今回の記事は基本プラン確定についてまとめました。
まず前提として着工に必要な建築確認のための基本プラン確定ですが、実務は住友林業と役所ではなく、住友林業アーキテクノと民間審査機関が行うことについて紹介しました。
肝心の基本プラン確定の内容ですが、これまで打ち合わせした間取り等の内容以外にも初めて聞く内容が多かったので、これから基本プラン確定を迎える方は是非本記事を最後までご覧になっていただき、参考にしていただければと思います。
住友林業的には「説明しましたよ」という帳面消しも兼ねている気が…
今回はここまでとさせていただきます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
基本プラン確定って何…?