このブログは住友林業で平屋を建てることとしたせんろく夫妻が、契約前・契約後に知りたかったことを、これから家を建てる皆様に知っていただきたいという思いから始めたブログです。
皆様にとって役立つ情報を発信できるよう頑張ります。
今回の記事は、大工さんの人件費の地域差や経年変化について考えてみました。
目次
建築の人件費?
建築業にあたっての人件費についてですが、単価が高いのはもちろん設計士さんだったりするのですが、当然ながら実際の家の建築には多くの職人さんの手が必要です。
「労務費」という言葉でも表現しますが、家の建築中は多くの人が終日作業をして家を建設してくれます。
職人さんたちの人件費の総額は、数が多いため設計士さんとは比べ物にならない程になります。
今回はそんな職人さん達の人件費に注目し、職人さんたちの人件費の地域差・経年変化についてご紹介します。
何故こんな記事を?
今回何故こんな記事を書くにいたったかについてですが、私(夫)は前職でプラントの設計の仕事をしており、工事を発注する立場でした。
↑海辺の工業地帯ででよく見るこういうプラントの設計です。
プラントと家では色々と勝手が違うとは思いますが、建設業という括りで見ると共通する部分が多いのではないかと思っています。
そんなプラントを建設する際ですが、都道府県によって人件費が変わってきました。
例えば東京や神奈川で建設する場合と、住友林業発祥の地である愛媛県で建設する場合は職人さんの人件費(単価)が大きく異なります。
この場合、全く同じ建築物を建てる場合でも人件費で差がでます。
都道府県でどれだけ異なるのか
あくまで積算する場合ですが、毎年公共工事の人件費を職種別・都道府県別に国土交通省が公表しています。
今回は普通作業員の労務単価について、最も高い東京を基準にしてまとめてみました。
「差額」が基準とした東京都との差額、「割合」が東京都と比較した場合の割合です。
この単価は一人一日8時間労働した場合です。
表の通り、都道府県で労務単価が大きく異なってきていることがわかります。
これは単純に都会程物価が高く、その分給与に反映されてくるからだと思われます。
この金額はあくまで公共工事の単価であり、参考程度ですが地域によって大きく人件費が異なることがわかります。
ちなみに国土交通省の言う普通作業員とは、下記のとおりです。
① 普 通 の 技 能 お よ び 肉 体 的 条 件 を 有 し 、 主 と し て 次 に 掲 げ る 作 業 を 行 う も の
a. 人 力 に よ る 土 砂 等 の 掘 削 、 積 込 み 、 運 搬 、 敷 均 し 等
b. 人 力 に よ る 資 材 等 の 積 込 み 、 運 搬 、 片 付 け 等
c. 人 力 に よ る 小 規 模 な 作 業 ( た と え ば 、 標 識 、 境 界 ぐ い 等 の 設 置 )
d. 人 力 に よ る 芝 は り 作 業 ( 公 園 等 の 苑 地 を 築 造 す る 工 事 に お け る 芝 は り作業に つ い て 主 体 的 業 務 を 行 う も の を 除 く )
e. 人 力 に よ る 除 草
f. ダ ム 工 事 で の 骨 材 の 製 造 、 貯 蔵 ま た は 運 搬 に お け る 人 力 に よ る 木 根 、 不 良鉱 物 等 の 除 去
② そ の 他 、 普 通 の 技 能 お よ び 肉 体 的 条 件 を 有 し 、 各 種 作 業 に つ い て 必 要 と さ れる 補 助 的 業 務 を 行 う も の
主として作業を行うわけではない、どちらかというと補助の方々の労務単価です。
なので他にも「とび工」や「電気工事士」、「大工」等のもっと単価の高い方々も家の建設には必要になってきます。
国土交通省の言う、主要12職の人件費をまとめました。
高くはなってきたものの、公共工事の単価だからかまだ少し安いかな…という印象です。
ハウスメーカーの場合、労務単価としてはもっと高くなると思われます。
時系列の推移について
続いては都道府県別ではなく、過去からの人件費の推移についてです。
先程紹介した国土交通省の発表によると、「○全国全職種平均値は時間外労働時間を短縮するために必要な費用を反映し、10年連続の上昇」とありました。
あくまでこれは公共工事に対してなので、次は国土交通省でなく厚生労働省が公表している「毎月勤労統計調査」から抜粋します。
抽出条件は以下のとおりです。
毎月勤労統計調査賃金指数:現金給与総額
事業所規模: 30人以上
産業: 建設業
事業所規模が30人以上の方の、建設業に携わる方たちの賃金の指数です。
こちらは1952年まで遡って公表しているので、その推移をグラフにしました。
さすがに1952年から見ると、大きく上昇していることがわかります。
あまりに遡りすぎているので、2007年からの推移もグラフにしました。
リーマンショックで一度落ち込んではいますが、2012年を区切りとして上昇傾向にあることがわかります。
ウッドショック等が言われる昨今ですが、人件費の高騰も家造りの値段の高騰につながっていると言っても過言ではありません。
まとめ
今回は大工さんの人件費に焦点を当てて、都道府県別の単価や近年の動向についてまとめました。
都道府県別というよりも、単純に物価が高い都会は労働単価も高くなるため、必然的に家造りの値段も高くなっていくことが予想されます。
また、近年も賃金の上昇傾向は続いており、それも家造りの値段に直結します。
家造りをご検討されている方は、今後も物価の動向に注目が必要です。
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