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林業で平屋を建てることとしたせんろく夫妻が、契約前・契約後に知りたかったことを、これから家を建てる皆様に知っていただきたいという思いから始めたブログです。
今回はウッドショック及びアイアンショックについて、2022年最新の物価指数を調査してみました。
目次
ウッドショック?アイアンショック?
住宅業界で嘆かれているウッドショックですが、これは木材価格が高騰している現在の状態を、1970年代に発生したオイルショックになぞらえて呼ばれている現象です。
この住宅業界を騒がせているウッドショックですが、最近ではアイアンショックも注目されています。
その名の通り、ウッドショックの様にアイアンショックによって鉄骨系の住宅の費用が上がるのではないかという懸念です。
前回は地域毎の人件費について考察しましたが、今回は国内企業の物価指数を調査し、家に関わる部材の推移を調べてみました。
調査先は日本銀行が公表している企業物価指数です。
企業物価指数は、企業間で取引される商品(財)全般に関する価格の変動を測定するもので、今回は最新の基準(2015年時点)の価格を100として、どれだけ現在まで推移しているかを調査しました。
今回は直近3年のデータを抽出しました。
鉄骨の影響は?
それでは早速、木材と鉄鋼の材料物価指数をまとめた結果です。
グラフのオレンジが木材の材料価格ですが、やはり2021年の6月頃から急激に上昇していることがわかります。
対して鉄鋼自体も材料の価格は木材程急激では無いものの、滑らかに上昇してきていることがわかります。
日銀の物価指数は細分化された項目毎に物価指数を抽出することができるので、「鉄鋼」という幅広いジャンルではなく、「建築用金属製品」の「鉄骨」に絞って物価指数を調査してみました。
鉄骨の物価指数がそもそも2015年の基準より120と既に1.2倍だったんだ!
この3年間では建築用の鉄骨自体はそれ程急激な上昇は見られないことがわかりました。
ただ急激では無いものの、ここ数ヶ月鉄骨自体にも上昇傾向があると言えます。
やはりウッドショックの方が影響は大きい?
2015年と比べると高くはなっているものの、鉄鋼の上昇分と比べると鉄骨自体はウッドショック程の影響は少ないことがわかりました。
続いてウッドショックの影響も改めて見ていきたいと思います。
同様に日本銀行の物価指数から、今度は「建築用木製品」というジャンルで抽出してみました。
「住宅建築用木製組立材料」がウッドショックの影響を大きく受けていることがわかりました。
その物価は2015年基準と比べると2022年4月現在で、2倍となっています。
家の建築費に大きな影響を与えかねません。
その他に家づくりに必要な木材の物価指数も併せて調べてみました。
「集成材」についてもウッドショックの影響で大きく上昇していることがわかります。
集成材とは複数の板を結合させた人工の木材で、小さな板を乾燥させ、同一繊維方向で接着剤を用いて張り合わせたものです。
住友林業と打ち合わせを通してわかったのですが、木を売りにしている住友林業でも集成材を多く使用していました。
家の構成としての割合は先程の建築用木製品と比べると小さいと思われますが、この価格上昇は建築費用に影響を与えると思われます。
「床材」については大きな影響はなかったようです。
ウッドショックの影響はこんなところにも
「木製家具」の物価指数の推移も調べてみました。
新居に合わせて家具の新調を検討されている方も多いと思います。
木製家具についても物価上昇の影響を受けていることがわかりました。
特に「木製机・いす」は大きく上昇しています。
住友林業と提携している家具メーカーも価格改定を申し出ているそうです。
電気機器についても調査
半導体不足が問題となっていますが、電気製品についてはどうでしょうか。
こちらも家の新築に合わせて新調される方も多いと思ったので、併せて調べてみました。
意外にも電気機器は影響を受けていないことがわかります。
特に電気洗濯機は2015年基準と比べると8割程の値段になっているようです。
食器洗い乾燥機等も物価上昇は見られないことがわかりました。
まとめ
今回は日本銀行が公表している物価指数を基に、ウッドショックやアイアンショックの影響を調査してみました。
結果としては鉄鋼の物価は木材程ではないものの上昇していましたが、住宅に必要な鉄骨自体は直近では大きな影響が出ていないことがわかります。
やはりアイアンショックよりも木材の影響が大きいことがわかりました。
特に「住宅建築用木製組立材料」、「集成材」の物価上昇が著しいようです。
その他にも木製家具も価格が上昇の傾向が見られました。
電気機器については、しばらく大丈夫そうです。
今回調査した日本銀行の企業物価指数はインターネットから誰でも見ることができるので、皆様も今日紹介した指数以外も調べてみると楽しいかもしれません。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
現在も一時期ほどの急騰ではないけど、滑らかに上昇傾向…